鬼の目に 涙。
今日 朝 NHKラジオ「私の本棚」を聴いていて 久しぶりに涙が出ました。
それは 映画監督 新藤兼人「しんどうかねと」 95歳の書かれた 本でした。 声優が詠んでいましたが、軽く 聞いていたのです。
妻 音羽信子さんはすでに亡く  彼の息子はプロヂューサーで孫娘「風」が映画監督で 彼は東京のマンションでその孫娘と二人で住んでいるそうですが、
声優の読むのを聞いていて 「私は二人の姉のことでは 胸に刺さったとげがある」と 言うところで おやっと思い耳を傾けました。
長女との経緯は聞き漏らしましたが 下の姉との経緯です。
それによると彼が小学校一年生の時その姉と学校に通う朝 雨が降っていて ぐずる彼を追い立てながら姉が彼を励ましていたが 彼が自分の片一方の下駄を田圃に 蹴り飛ばしたのです。 姉は着物の裾を巻上げて田圃に入り 下駄を拾ってきて 履かせたのですが 今度は反対側の下駄を又 蹴り飛ばしたのです。
又 姉は泣きながらぬれながら 拾い上げてくれたのです。 そして履かせてくれて 学校に行ったのでした。
95歳の彼が どうしてあんな事を少女の姉にさせたのか今でも判らないと。
そして彼が26歳の時 東京でなかなか書けないシナリオを書いていたアパートに  看護婦をしていた姉が広島から尋ねてきてくれて 彼の顔色の悪さを見て 心配して お金を置いて帰ったそうです。
今は亡き お人よしで優しい姉に どうしてあんな心配をかけたのだろうかと。 又再婚相手の 音羽信子に 弟をよろしくと 手を突いて 丁寧に頭を下げたそうです。
私はそれを仕事をしながら聞いていて 涙が湧いてきました。そして 今 これを 書いていて又 涙が湧いてきます。
人の優しさに触れると弱いですね。 肉親の情に触れると 弱いですね。
それで ひがみやの私が。それに比べると俺はと又 悪い癖を出しました。
今まで俺は優しさに ソンナニ触れてきたのかなと、思ってしまいました。 いっぱい触れたはずなのに 感じていない鈍感な奴ですね。
確かに子供の頃 無償の愛をくれるはずの お婆さんは死んでいましたし、 一族にはそんな優しいのはいなかったし。 そんな一族の血を受け継いでいるのだから 自分も人に優しさを 与えてきたような事も無かったし、
だから こう言うのに弱くて涙が出るのでしょうね。 でも 涙が出るほどの感動っていいですね。
ちょっとは 良い人になろうかなと 一瞬だけ思いますからね。 じゃぁ 今だけは ちょっと 優しくいる 私ですので 皆さんどうか お幸せに では。

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