コミック 間違い電話


やんわか太陽が  秋の空から注いでいる。 ゆきと けいこは会社は違うが 同じサークル 。 会社のオフィスが近いので良く一緒に帰るので 今日もちょっと ケーキのおいしい  喫茶店に立ち寄った。
「ねぇ、けいこ! たかしさんとは上手くいってるの。」
「まぁね。別に変わったことも無いわね。それよりゆきはクラブの杉さんとは、 どうなのよ。アタックしたの。」
「だめよ!杉さんには女の子の取り巻きがおおいから、そんな簡単にはいかないわよ。 杉さんで思い出したが 今度のクラブの集まりに出てくれるのかしら。私幹事だから みんなの返事を聞かないといけないわ。けいこは出るのでしょうね?あら!やだ。ピカピカしてるわ。携帯 電池切れよ。けいこちょっと貸してよ。」
「いいわよ。誰にかけるの?」
「「あら、今言ってたでしょう。クラブのことで杉さんに電話するのよ。えぇと、杉さんの番号けいこの携帯にははいってないの?あら、何番だったかしら。4724 だったかしら。けいこ、知らない?」
「私、かけたことないもの。でもそれ 適当にかければいいじゃないの。」
「だめよ そんな 間違えて誰か出たら困るもの。」
「間違えたらそのときよ。間違えたって判るだけでしょう。世の中が終わりになる わけじゃないのよ。そんなのたいしたことないわよ。実はね、間違い電話がなかったら私ここにいないのよ。」
「いやだわ、そんな知らない人に電話掛けるのなんて。あの! いま、なに言ったの? 間違い電話がなかったら けいこはそこにいないのって言ったのよね?」
「そうよ、私の両親はね、高校時代に恋人同士だったのよ。とても仲良しで、高校三年の時には もう 二人は将来結婚しようねって言ってたのよ。」
あら、すばらしいわ。私の憧れだったのよ。そういう恋愛をしたかったわ。だって女子高でしょう。よその学校の男の子でも良かったけど 全然何も無かったのよ。くやしいわね。でも貴方の両親はずっとラブラブで来たのね。ああ、うらやましいなぁ。」
「ゆき、黙って最後まで聞きなさいよ。そんなに簡単にはいかなかったのよ。二人とも 大学受験やなんやらでどっちの親も 転勤族でたまたま ふた家族が東京に いただけなのよ。それからふた家族は遠く離れちゃったし、大学も離れていたので、 あんなに仲良しだったのに 離れているとだめね、連絡もとれなくなっちゃって、 とうとう自然消滅なのね。それでいつしか 別々に恋人が出来て結婚しちゃったのよ。」
「まぁ!かわいそう。私涙が出てきたわ。どうして神様はそんないたずらするのかしら。クシュン!あれ!だけど なんなのだって 今 けいこの両親の話でしょう。けいこどうやって 生まれたの。どうなってるの。」
「そうなのよ。それからどちらも子供が出来なくて、離婚しちゃって、さびしく 一人暮らしをしていたのよ。でもお互いにいつも相手の事を考えていて会いたかったそうよ。」
「そうでしょう。可哀想ね。やっぱり泣けちゃうわ。でもどうして二人は会えたの。」
そうなのよ。それが間違い電話なのよ。パパはその時北海道に転勤していて、担当していたチョコレートの営業をしていたのだけど、ある日ね、東京にある コンビニの本社に新製品の ”再びの白い恋人 又会えるといいね”と言うのを売り込んでいたの。見本を送ってね 一度直接に上京して最後の売り込みに行く予定だったの。それで 担当者に直接電話したのが 局番違いで埼玉に住んでいた ママの所に繋がっちゃったのよ。それもね はい、平成製菓の 山田太郎ですけど 再びの白い恋人 又会えるでしょうかの販売を決定していただき有難うございました。って大声で言ったら 間違い電話を受けたママはびっくりして そっとうしそうになって でも直ぐ彼だとわかって ハイ!又会えます。って叫んだそうよ。」
「あらぁ、まぁ・。うそみたい!よかったわね。でも そんな事ってあるのね。局番違いで同じ番号なんて。赤い糸の運命ね、やっぱり。」
「そうそう ゆき!携帯使うって言ってたわね。はい!どうぞ。間違い電話も楽しそうでしょう。」
「ほんとね。そんな柳の下に蛙はいないけど、掛けてみるわ。」
「それ どじょうじゃ ないの。」
「あら!呼び出し音がしてるのに なかなかでないわ。」
「ガチャ もしもしなんだよかあさん。俺 今すごく嬉しくて忙しくて かあさんと電話してる暇がないんだ。このOP リサイクルショップで俺が探し続けてた 60年代の ジャズのLPレコードが 見つかったのだよ。帰ったら見せるから! もしもし 聞いてるの。」
「はい、すみません。間違い電話をかけちゃったみたいですね。でも 貴方も ビニールレコードのマニアですか。後ろに流れているのがそれなのですか。電話だけど 柔らかく良い音ね。」
「あら、もしもし かあさんじゃあないんだ。携帯に 母のけいこの名が出ている ものだからごめんごめん!それで 貴方も古いレコードが趣味なんですか。偶然だね  若い人で余りいないものだから、僕だけかと思ってたよ。僕は 夏雄です。良かったら 名前教えて。ああ。啓子さんだね。」
「いいえ、はじめまして!私ゆきです。私も祖父の影響で古いレコード聴くのが大好きです。私も探しています。古いレコードやステレオを。」
「それは 偶然だな!ここに古いアンプや 真空管のセットや いろいろあるから場所を教えますよ。」
「ええ、そこ 知ってます。私が今いる喫茶店の直ぐそばです。今 見に行って よいかしら。」

”それから一週間後”
「ねぇ、ゆき、 夏雄さんとあれからどうなったの。夏雄さんステキな人だったわね。 ねぇ ゆき なにぼうっとしてるのよ!」
「あら、ごめんなさい。今 夏雄さん何してるかしらと思うだけでなんにも考えられなくなっちゃうの。暇さえあればあったり電話したり まだ一週間なのに もう百年くらい前から知り合ってるみたいなの。夏雄さんと知り合う前に 私どうやって生きていたのかしら。考えられないわ。もう私 夏雄さんなしでは生きていけないわ あああぁ。」 「

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