ボランティアーって ガラでやるんじゃないよ。簡単さ!

「ママ もう一杯くれよ。今日は馬でスッカラカンだから 五郎さんにつけといてね。」
「三郎 おい。 三郎 お前 もうやめとけよ。明日 会社だぞ。お前の大事な 弘子さんも あきれていたぜ。飲みすぎだよ。」
この 賭け事で負けて 酒でぐずぐずの 三郎は今時の若者である。 大学を卒業して 今の会社に入って三年である。
三郎ほど適当で 要領の良い男もいないだろう。子供の頃から今まで あまり 努力は  した事が無い。
学校でも会社でも 成績は一番になろうとは思ったことも無い。 なのに そこそこの成績を収めていた。
その軽さ 明るさでとっつきが良いのか友達は沢山いた。 だからアフターファイブも元気で 必ず誰かと遊んでから自宅に帰った。
だけど 酒と 金にだらしないのが最大の欠点である。 同僚の仲間や 彼女にも酒と 賭け事で金を借りるようになり、 だから 彼の仲間や彼女も一歩引かれて付き合われるようになってきた。
そんなある日 いつものように 数人の仲間と居酒屋にたちよった。 そこで偶然 同級生の誠とあった。
誠はやっぱり会社の仲間なのか 数人の男女と一緒にいた。 誠はあいかわらず真面目と 努力が服を着たような男でオクターブ高い声で 三郎に 話しかけてきた。
一通り近況を話してから、三郎は誠が手にしているパンフレットの束に目が止まり、 聴いた。
「なんだいそれは?」
「ああ これ、ちょうどいいや 君もこれちょっと詠んでよ。今ここにいる仲間と  やっている事が書いてあるんだよ。 貧しい国の子供達を支援しているのだよ。」
「なんだ ボランティアってやつかよ。だめだよ 俺は給料が安いから遊ぶ金が 足らなくて いつも親から小遣いを貰っているくらいだからな。恥ずかしいけどね。」
「ねえ、三郎君、これは 人の為にする事だけどね、結局自分の為に成るんですよ。 自分の生き方 生活の仕方を見直せるんです。暇な時にこれ 読んで、ネットで見てよ。此処に URL、書いてあるからさ。」
「ああ わかったよ。でも 期待しないでよね。暇な時に ネットも見るけどね。 俺はボランティアってがらじゃないからね。」
それから 少しづつ三郎が変わりだした。仲間もかわってきて、アフターファイブは あいかわらづだが 酒や賭け事の仲間でなく テニスや 軽音楽のクラブで 昔かじったギターをひき 仲間と色々なところに慰問にも行った。
そして 今日は会社の打ち上げだ。 以前 アフターファイブを一緒に過ごした酒や賭け事の仲間とも一緒だ。 三郎は久しぶりに楽しい酒に酔っていた。すると 以前の仲間が近寄ってきて その仲間のテーブルに連れて行かれた。
「おい 三郎 最近つき合いが悪いじゃないか。居酒屋の あっちゃんも最近来ないからどうしたのって 言ってたぜ。 俺 この前 馬で 大穴当てたぜ。だから 今ちょっと息ついてるけどな。
「ああ、悪いな、俺 ちょっと最近考える事があって 酒や賭け事はやめてるんだよ。 そういえば 五郎さんに 金借りたまんまだったね。ごめん 今返すよ。」
「そんな事はいつでもいいけど 最近なにやってるんだい。」
「いや 恥ずかしくて君達には言えないよ。俺だって笑っちゃうものね」
「へぇ、そう言わずに言えよ。」あの ぐずぐずの 三郎の今ってのも ちょっと興味があるんだよ。」
「じゃ これ詠んでよ。そうすりゃ少しは判ると思うよ。」と言って、三郎はコートの内ポケットから封筒を出した。
「なんだいこりゃ 読んでもいいのか。えぇと。なんだこの文字は 俺読めないよ。」
「ああ その下のほうに 日本語に訳したのが書いてあるだろう、それを読むんだよ。」
「えぇと。 三郎様 いつも有難うゴザイマス。僕は 三郎様たちが 寄付してくれる お金の御陰で 鉛筆や紙が買えるのでこのように手紙が書けるように成りました。 お母さんは 僕が働かなくても学校は只で行けるようになったので 行きなさいと 言います。ほんとうにありがとう。にゃんにー。 なんだい これは ニャンニーって何処の子供代。」
「ああ その子ね 未開発の国の子供だよ。毎月少しだけど俺が送っているんだよ。 それも たいした金額ではないよ。今まで酒や 賭け事に使っていた金を 使わなくしただけで、金が余るようになってね、それを送っているって訳さ。 酒をやめたり 賭け事をやめたり コーヒーも家で飲むようにしたら 金ってほとんど要らないことに気が付いたよ。それで 酒でぐずぐずになる事もないし 賭け事でいらいらする事もないし 金を借りたり 親から無心する事も無くなったしね。 それで体調が良くなり スポーツや音楽をやっているんだよ。」 弘子さんとも よりを戻したしね。
昔の仲間達は 顔を見合わせて。ため息をついて。 「フーン そうか、俺もやるかな。今の生活 面白いような くだらんような  行き詰まりそうなんだよね。毎朝 会社に行くのにさっと起きれないんだよね。 それで上司に怒られては 又飲んで。休みには馬じゃね。きっとろくなことは無いよな。三郎は最近 」顔色いいしな。ボランティアーかぁ。 ほんとに 俺達のがらじゃないよな。でも三郎でもやってるんだからな。 いかにもボランティアーやってる 押し付けボランティアーとか 言っていたんだが。 自分の為に成りそうだな。
「俺もやるかな。俺も、俺も俺も俺も。

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