16. タクシー

「運転手さん!すみませんが 青山墓地まで行って貰えますか。」
「はい! どうぞ。」
 タクシーは静かに走り出しました。街は いつもと同じように賑やかです。 物静かな運転手さんは 無言で走らせます。
お客さんは 何気なく 聞きたい事があって 運転手さんの肩を軽く叩きました。それも 無言でした。
すると 運転手さんは おおげさに ギクッとして 声を出し 急ブレーキを踏み 歩道に 乗り上げ危うく ショーウインドーにつっこみそうになり止まりました。
運転手さんが 荒い息をしているだけで 車内は静かです。
「やめてくださいよ。心臓が止まりそうに成りましたよ。」
「ごめんごめん!ソンナニ驚くとは思わなかったものだから。ちょっと 聞きたい事が あったものだから。」
「いえ お客様が悪いのではないのです。実は 私今日が タクシードライバー初めての日なのです。なにしろ 昨日まで霊柩車の運転をしていたものですから。」 今までは 後ろに仏様を お乗せしていたものですから。ウッヒ、ウッヒャ、、
びっくりしたろうね そうだよね。 霊柩車じゃ 肩を叩く人は 仏様ですからね。アセ。

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