東大雪の秀峰二ペソツ

2006.7.9


 大雪山系ながら、アプローチの悪さと登山道の長さで表大雪や北大雪に比べて、登られる機会の少ない東大雪の山に挑戦した。妻のダンパラさんが「東大雪と言えば二ペソツ。あたしは幌加から登ったことがない」という一方的な理由で、廃道寸前の幌加コースで二ペソツを目指したのである。
 前日は糠平湖の畔の糠平野営場でテント泊。朝3時に起きて、登山口に向かう。登山口手前のポストで登山者名簿に記入するが、最後に記入されたのが1ヶ月以上前の6月7日。人気の程が偲ばれる。入山ポストからしばらくは車で入れることになっているのだが、あまり状態が良くなさそうだったので、車は入山ポストの近くの空き地に置いて徒歩で出発。道が悪かったのはポスト付近だけで、草がところどころ茂っているもののRVだと大丈夫。乗用車タイプでもローンを気にしなければ大丈夫だ。と思う。
 
   
荒れ気味の登山道    三条沼のほとりを歩く  1642付近の稜線上を進む

 林道をしばらく(2km程)歩くと林道は終わる。そこからは登山道を歩くが、登山道というよりも作業道の跡のようだ。林道ですら草がところどころ茂っている状態なので、作業道跡だとかなりの部分がヤブ漕ぎとなる。全てがヤブ漕ぎではなくて針葉樹の林の中を歩いたり、沼のそばを歩いたりもして、森林浴気分が味わえる場所もある。沢を登るようになると作業道の終点が近い。作業道の終点付近からいよいよ登山道となり迷い平へ登ることになるのだが、作業道の終点付近は倒木などで、登山道が不明瞭で、迷い平の手前で危うく迷いそうになった。
 作業道跡でもヤブ漕ぎが多いということは、登山道はひたすらヤブ漕ぎである。危険なところは無いが、蜘蛛の巣のついた熊笹や杉の幼木をかきわけながら登っていく。迷い平と呼ばれている1350m付近の台地をピンクテープと掻き分けられた草木を目で追いながら進んでいくと次第に稜線が細くなる。植生も熊笹からハイマツやダケカンバになっていくが、登山道の土の部分は枝の下であることには変わりないが、花がチラホラ見かけるようになったのが嬉しい。1642のピークで一休みした後、痩せ尾根を下りカールに出る。
 
   
登山道は雪渓の下    カール上部の岩場にいたリス  天狗岳付近からの大雪山の眺め

 カールの下に登山道があるらいいしいのだが、雪渓が残っており道は雪の下である。雪渓の上方に所々踏み跡のような場所があるが、全て獣道。本物の登山道は雪渓の最上部だ。もっとも梅沢氏の「夏山ガイド」をよく読めば判ったのだ。カールは上下2段になっており、慎重に登山道らしき跡を追いながら登る。雪渓を登り終わると、ガレ場となる。
ここで、「チチチ」という泣き声。「ナキウサギがいる。」とダンパラさん。私は未だナキウサギを見たことが無いのだが、くやしいことにダンパラさんは何度も見たそうだ。「ナキウサギだ」とダンパラさんの声。目を凝らすといたいた。「結構大きいじゃん」と思いながら写真に納める。一時して「ナキウサギ」が走った。大きな縞模様の尻尾を振って・・・ 落胆した私の耳に「あっ リスだった」とダンパラさんの声。「あてにならん・・・」という言葉を飲み込んで(声に出すとガレ場の岩が飛んでくるかも)デジカメを仕舞っていると。「ナキウサギ。今度こそ本物よ」だと。疑いながら目を凝らすといたいたい。やや濃い褐色の小動物。リスより小さい。間違いなくナキウサギだ。感動しつつデジカメを取り出すと、逃げていった・・ 写真には収められなかったが、人生最初のナキウサギ目撃だった。ウレシ。
ガレ場の頂部から急な斜面で、ロープが垂れ下がっている。急斜面を登りきると、稜線上である。ガレの稜線上はお花畑だった。この風景を見るとわざわざ幌加コースの道なき道(大げさ)を来た甲斐があるというもの。お花畑を歩き前天狗岳付近で杉沢コースと合流。
前天狗岳でダンパラさんが「ここでニペソツがド〜ンと聳えているのがすごい迫力なのよ」と教えてくれたが生憎山頂はガスの中で正面に聳えるニペソツを見ることはできなかった。前天狗岳を過ぎて、鞍部に下りて、登り返しを繰り返してニペソツ山頂へ到着するのだが、右手に大雪の山並みが見ながら歩くのは気持ちいい。しかも少しずつ晴れ間が広がり、次第に大雪の全景が見えてくるのがなんともいえない。
 
   
山頂目前。最右峰がニペソツ本峰    山頂から、糠平湖方面を望む  天狗岳の後ろにニペソツ本峰

 晴れてくるといえば、ニペソツ本峰もガスが上がるにつれてその威容を現し始めた。山頂手前まで来る頃には、ガスの間から山頂部が見えるようになった。
 お昼と言うこともあって山頂には10人以上いた。幸いガスも時々切れるので、一気に360度は見渡せなかったが、ガスの合間からウペペサンケ山や石狩岳、十勝連峰はもちろん日高山地、糠平湖とそのはるか遠方に雌阿寒らしき山(違うかも)も見えたのだ。
 昼食後下山。時々振り返りながらニペソツ本峰の威容に見とれる。そして左手に広がる音更山から十勝岳への山並みにも見とれる。一方、前天狗までの登り返しにうんざりする。前天狗からは、幌加コースではなく、杉沢コースで下山した。登りの苦労を考えると、迷う可能性も低くないと思ってコースを変更した。杉沢コースは幌加コースとは打って変わってよく整備されており、1681山麓の岩場以外は問題なく降りることができたが、花は少なかった。ピークハンター向きの登山道だと思う。下山後、登山口で我々とほぼ同時に下山した釧路からの登山者に幌加コース入り口まで送ってもらった。この場を借りてお礼申し上げます。

リザルト
ポスト前: 04:25
1662: 08:10
前 天 狗: 10:05
山 頂 着: 11:38
山 頂 発: 11:55
前 天 狗: 13:10
ポスト前: 15:22



登山道脇に咲いていた花です。花を楽しむなら幌加コース

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