時間の散歩(過去・現在)


豊羽鉱山専用線(その1)

 札幌市奥の南区のその奥に「湯の街」定山渓があります。札幌市街から定山渓へは国道230号線を南下しますが、定山渓の手前に朝里や国際スキー場へ行く道が分岐し、この道を国際スキー場方向に進んでいくと、またしても道が右に分岐しています。分岐している道を白井川に沿って山肌に沿って上流に行くと、突然街らしきものが現れます。そこが豊羽元山(とよはもとやま)というところで、そこに豊羽鉱山があります。この鉱山は鉛、亜鉛、銀、金、錫、タングステン、インジウム、ビスマス、 モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウムなど多種多様の希少金属を産出していましたが、鉱床部の高温に採掘技術が追いつかず平成18年をもって閉山しました。
 豊羽鉱山は大正5年に本格採掘を開始しました。大正10年に第1次大戦後の不況と煙害で操業を中止しました。しかしながら昭和も二桁になると軍需産業の拡大に伴い非鉄金属の需要も拡大し、国家的施策もあり昭和12年に再開着手しました。この時、豊羽鉱山は石山に選鉱所を建設するとともに、その輸送のため藤ノ沢から選鉱所までの間2.1kmと、錦橋から水松沢(オンコノ沢)までの間6.2kmの専用線を建設し、昭和14年に操業を再開しました。しかしながら、太平洋戦争中の昭和19年に白井川河床陥没により再度操業中止となりましたが、昭和25年にみたび操業が再開され、平成18年まで操業していました。 今回は、その豊羽鉱山専用鉄道跡にスポットを当てました。

 
札幌方面から230号線を定山渓方向に走り、定山渓の手前にある道道小樽定山渓線とのT字路の左奥にある廃車置場が定山渓鉄道の路盤跡  錦橋駅跡は道道小樽定山渓線沿いの錦橋のじょうてつバスのバス停付近


 
豊羽鉱山専用線との接続駅だった錦橋駅の構内は広い空き地になっている  定山渓鉄道の電車は錦橋駅を出ると大きく左にカーブし、白糸の滝停車場を目指す。


 
豊羽鉱山専用線は錦橋駅からほぼ真直ぐ西に進み、豊平川の作る渓谷を渡っていた。
画像中央は橋台の跡
  錦橋駅を出た電車は大きく左にカーブして切通を抜け民家の裏手を進んだ。路盤跡の上の枕木がいいオブジェになっている(こちらはおまけ)


 
錦橋から白井川の鉄道橋までの豊羽鉱山専用線跡に送電線柱が並んでおり、良い目印になる  また豊羽鉱山専用線の路盤跡には豊羽鉱山の排水管が埋め込まれており、配水管の経路上の橋台は当時のまま利用されている
 
白井川上流を目指し路盤は伸びている。遠くに見える白い山は雪をかぶった無意根山  豊羽鉱業専用線は白井川を2度渡るが、定山渓よりの鉄道橋は橋台、橋脚とも配水管の台座として現役である
 
途中見つけた2基並んだ橋台。かなり崩壊が進んでいる  左の場所を上から撮影。ここは複線区間か?信号場か?
 
白井川をもう一度超えるとオンコノ沢はもうすぐだ。道道の神居橋から撮影  オンコノ沢手前の路盤跡
 
豊羽鉱山専用線はオンコノ沢で終点。大正期にはここに巨大な精錬施設と1500人規模の町があった。  オンコノ沢から見上げる定山渓天狗岳
 
終点から道路を挟んだ平地にあったコンクリート製の土台、索道の土台ではないと思うが。  トンネルのようなものも残っていた。ちなみにこの上は鉱さい堆積場である


 藤の沢から石山の選鉱場までについては次ページをどうぞ。

平成16年 5月 2日          

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