逆境プレイ日記 エクストラステージ 遠征編

プロローグ 逆境再来










夢――










夢を見ている――










逆境の皆と一緒にサッカーをしている夢――











吹っ飛ばされた思い出――











普通のタックルにボールを捕られた思い出――











そして最も印象深いポストの思い出――































「ってなんでこんな嫌な思い出ばかりなんだァー!!?」
































萃香だァー!! あ?」
蓮子「あ、やっと起きたわね」
萃香「ここは誰? 私はどこ?」
蓮子「またベタなボケを。はい瓢箪」
萃香「あ、ありがと。んぐ、んぐ、ってぺんぶほぉぉぉ!!?
蓮子「酒を飲みながら喋ってどうするのよ」
萃香「れ、れ、蓮子! もう戻ってきたの!?」
蓮子「はぁ? 一体何の話をしてるのよ」
萃香「いや、だって私達は最後の試合で勝って……」
蓮子「何言ってるのよ。最終戦は今度よ。今はレベルアップのために遠征にきてるの忘れた?
萃香「そ、そんな……それじゃあ、あの激戦は、夢?」

























蓮子「まあ、そういう設定だから覚えてないことにしておきなさい」
萃香「設定って言っちゃったァー!!!」




















「さて、設定上今は最終戦前なわけなんだけど」
「わざわざ設定上とか言わないでいいよ」

 設定上グラウンドに集まった逆境メンバー、しかしその光景には違和感があった。何かが足りない。
 最初に気付いたのは紫だった。

「メリーがいないわね」
「そういえばそうですね」

 逆境のマネージャー――仕事をしている様子は皆無だが――であり、蓮子のよきパートナーであるメリーの姿が見当たらなかった。
 全員疑問の表情を浮かべていたが、やがて最も行方を知っていそうな蓮子に視線が集まる。
 蓮子は腕を組み、何かに耐えるように下を向いている。珍しく重苦しい雰囲気を発する蓮子に、場は緊張感に包まれた。
 やがて蓮子はその重い口を開いた。

「メリーは……さらわれた」
「なにィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 空気を読めないバカが派手に驚いた。どのバカかは驚き方から察してほしい。あえて言うならポスト馬鹿である。

「地の文少しは自重し」
「でも、何でさらわれたって分かるの?」

 ゴチャゴチャうるさいポスト馬鹿を無視し、レティが被せるように質問を出す。
 蓮子は胸ポケットに手を突っ込み、一通の手紙を取り出した。

「こ、これにメリーが誘拐されたことが……」

 震える手で萃香は手紙を手に取る。そして封を開け、中身の便箋を開いた。そこには、

『アホが見る、ブタのケツ』

 ……時が止まった。

「それが今日起きた時、枕元に置かれたいたわ。私はすぐさま輝夜を殴りに行ったわ。8発殴った」
「いいえ、13発殴られたわ」
「姫、実際は17発です。ついでに蹴りも6発もらいました」

 文句を言う輝夜の顔は包帯だらけになっていた。見た目は明らかに怪しいミイラ女なのだが、突っ込む程のことではないので全員無視した。
 余談だが先程の手紙を出した犯人は永琳である。蓮子はその事実を輝夜を殴っている最中に聞かされたのだが、面倒だったので聞かなかったことにした。とりあえず輝夜を殴る拳に更に力が入ったのは確かだ。
 萃香はわなわなと奮えながら握り拳に力を入れる。持っていた便箋はくしゃりと音を立ててグシャグシャになった。

「で、メリーがいなくなったって話は?」
「さっき犯人から電話があった」
「それを最初に言えェ!!」

 便箋はバラバラに破かれた。





 とりあえず逆境の一行は電話で指定された場所にやってきた。

「な、何だあれは?」

 辿り着いた一行が目にしたのは天高く聳え立つ巨大な塔だった。まるで神話に登場するバベルの塔のようである。
 ちなみにそんなにでかいんだったら指定された場所から遠くても見えるんじゃねえの、とかいう突っ込みは不許可とする。遠くからでは視覚を遮断する魔法でもかかってんじゃねえの?
 とりあえず入り口を探そうと塔の周りを調べることにする。巨大な塔を周回していると、そこで見知った顔に出会った。

「ん? 君達は」
「あ。アンタは……えーっとチャーリー?」
「森近霖之助だ。一文字もあっていないぞ」

 ある意味あっているとも言える。
 香霖の横には塔の中へ入れるであろう扉が備え付けられていた。
 どう考えても怪しい香霖に萃香は睨みを利かせる。

「お前が犯人か!?」
「犯人? 一体何のことだい? 僕はここでバイトしてるだけだけど」
「バイト?」
「あぁ。今日はこの塔、貸切りでね。で、その貸し切った客が呼び寄せたVIPの応対をする仕事だ」
「貸切り!? この塔って一般開放されてるの!!」

 いきなり衝撃の事実である。果てしなく勿体無い使い方だった。もっともこんな使い道の分からない塔を建てると考え付くところからして馬鹿には違いないが。

「にしても一体誰がこんな馬鹿でかい塔を?」
「稗田家九代目だよ」
「あいつかよ!!」

 衝撃の事実パート2である。どうやらあの家系、記憶をある程度受け継ぐ代わりに果てしない馬鹿……いや、Hになるようだ。

「というよりどこにこんなの作る金があったのよ?」
「何でも最近、高価な商品が売れたとか。北○鮮にかくば」
「それ以上は危険なのでやめて下さい」
「ちなみに塔の名前はDE○TH-Tだよ」
「酷すぎる……」

 色々な意味で一杯一杯だった。というかDE○TH-Tは5階建てじゃなかっただろうか?
 そもそもプロローグからこんな面倒な設定を作って果たして消化しきれるのだろうか?
 断言しよう、間違いなく無理である。そもそもネタもそろそろ限界にきているわけであt



―通信が遮断されました―










蓮子「面倒だから回線をきったわ」
萃香「回線とかそういうシステムなの?」

??「ちょっと、こっちで本当にあってるの?」

香霖「一体、何の話をしているのかは知らないが、とりあえず招待客である君達を中に案内するよ」

「当たり前じゃない。私が間違えるとでも?」
??「アンタの場合、わざと間違える可能性も捨てきれないのよ」

蓮子「別に案内なんてなくても平気よ」
香霖「こっちも一応仕事なんでね」

「あ、あれじゃないカナ?」
??「やっとついたの〜」

蓮子「それじゃあ行くわよ!」
??「到着〜!」





『……ん?』

 出会っちゃいけない奴らが出会ってしまった。



―次回、遠征編最初の勝負が始まる!―



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