〜夜中の恐怖〜

 

「よう!今日も差し入れ持ってきてやったぞ。」

すでに時間は夜の8時半頃。

そんな時間帯に、学校に一人の青年が袋を下げてやってきた。

一人の少女に会うために・・・。

いや・・・少女とも会うためにと言った方が良いか。

その青年の名は「相原 祐一」

そして、祐一は廊下に剣を構えて立っている少女の元へと行く。

「今日はバナナだ。栄養がつくぞ〜。」

祐一は話しかけるが、少女の反応はほとんど無い。

返事いえば、首を縦に振る位か一言返事をするかぐらいである。

そして、祐一は一房のバナナの皮をむいてその少女に手渡す。

「なあ、舞。バナナは好きか?」

「・・・嫌いじゃない。」

舞と呼ばれた少女はそう返事すると、バナナを受け取る。

・・・しばらく、静けさがおとずれる。

突如、祐一は舞の剣を見て閃いた。

「・・・舞、その剣でこれを切れるか?」

「・・・。(こくり)」

舞は首を縦に振った。

そして、手に持つ剣を構える。

「いくぞ!」

そう言い放ったとき、祐一は持っていた一房のバナナを放り投げた。

その時、舞の剣がバナナにヒットし・・・

ベチャ

そのまま床に打ち付けられた。

「「・・・・・・。」」

しばらく、2人は叩きつけられたバナナを見つめる。

「・・・祐一、食べ物を粗末にするな。」

舞が祐一の方をキッと見る。

「おまえの剣が切れなかったからだろ!」

どっちの言うことも、もっともである。

「しかし、これほど切れないとは思わなかったなぁ。」

「・・・私も知らなかった。」

「なんじゃそりゃ。」  

そして、それからしばらくして祐一は舞と別れた。    

 

・・・次の日

同じ時間に同じ場所で舞は同じ格好で立っていた。

「よう!舞。今日は面白い物を持ってきたぞ。」

「・・・?」

舞の顔に疑問の表情が出る。

「ほら、これだ。」

祐一が取りだした物、それは・・・

「研ぎ石だ。これで昨日みたいに切れない剣なんかおさらばさ。」

「・・・。」

そして、舞はそれで研ぎ始める。

・・・シャーーーッ・・・・・シャーーーッ・・・

「舞・・・舞?」

何か、舞の様子が変な事に祐一が気づく。

「舞?おい、ま・・・・・」

祐一の顔が一瞬にして青ざめていった。

舞の表情はいつもみたいな無表情ではなく、笑っていた。

まるで、人を切るぞと言いそうな・・・

目のあたりが暗く見えるのも気のせいだろうか・・・

そして、舞が一言言った。

「試し切り・・・」  

 

その後、祐一がどうなったかは私は知らない。        

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