〜狂牛病の恐怖〜
時は日が暮れてからかなり経つ闇の中。
昼間は生徒でにぎわう校舎は夜ともなると、しんと静まり返る。
何も聞こえない。
そんな校舎の中で、今日も舞は剣を構えて「魔物」を待つ。
・・タッタッタッタッタッタッタッタッタッ
静かな校舎内を走る音が響いてくる。
舞に向かって。
そしてその足音が止み、足音の主から声がかかる。
「よう、舞。今日も張り切ってるな。」
「祐一・・・遅い。」
いつもと同じように挨拶を交わす。
そして、いつものように祐一は手にさげたビニール袋から夜食を取り出す。
その夜食を受け取り、舞と祐一は壁にもたれかかる。
「舞、今日の牛丼は少し違うぞ。食ってみろ。」
そう言われ、舞は早速食べてみる。
「・・・・・・。」
「どうだ?」
「・・・・・・違う。」
「何が?」
「牛丼じゃない・・・。」
「それじゃあ、何だと思う?」
「・・・・・。」
しばし、舞の箸が止まる。
少し時間を空けて、舞が再び話し出す。
「・・・・きつねさん。」
「なんでキツネなんだ。これは豚だ。」
「豚さん・・・。」
「そうだ。いつもなら牛丼があるハズなんだが、あれのせいで牛丼が無くなってな。」
「・・・・・?」
舞が少し首を傾げる。
おそらく祐一の言う「あれ」というのが気になるんだろう。
「なあ舞、・・・ニュースみてるか?」
「ぽんぽこたぬきさん。」
「えっ・・・・・。」
舞の一言の後、しばらく静けさが訪れる。
「舞・・・・ほっっっんとに見てないのか?牛丼の危機なんだぞ?」
「牛丼の危機・・・・・佐祐理との思い出・・・」
そう言うと、舞はその場から走り去ってしまった。
「えっ・・・・舞?どうしたんだ、舞!!」
それから数日後、何故か養豚場から豚が消える事件が起きたそうな。
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