〜食べ物の恐怖〜
「・・・・・・。」
寒い冬の中、水瀬家の一室の布団がもぞもぞと動き出す。
その布団の中の主は祐一である。
しばらく動いていたが、動きが止まる。
それからしばらくすると・・・・
『朝〜、あさだよ〜。ご飯食べて学校行くよ〜。』
「・・・・・ん?」
『朝〜、あさだよ〜。ご飯食べて学校行くよ〜。』
目覚ましから更に眠気を誘うような音が聞こえてくる。
カチッ
その目覚ましが三回目を鳴らすことはなかった。
「ふあぁ〜〜〜・・・さて、起きるか。」
祐一が欠伸をしながら起きる。
そして、素早く冷えきった制服に着替える。
祐一が部屋から出ると、名雪の部屋に耳を当てる。
「・・・・・・く〜・・・・・・・」
とても気持ちよさそうな寝息が聞こえる。
「全く・・・後で起こしてやるか。」
そして、祐一は一階に下りた。
「おはようございます、祐一さん。」
「あっ、おはようございます。」
相変わらず、秋子さんがタイミング良く挨拶してきた。
そして、祐一はいつもの席に座り朝食にありつこうとするが・・・
「・・・ちょっとからかってやるか。秋子さん、空き瓶無いですか?」
祐一が何やらせっせせっせと準備する。
それからしばらくして、名雪は降りてきた。
「うにゅ・・・おはようございます。」
「おはよう、名雪。」
そして、名雪もいつもの席に座る。
そして、名雪はいつも通りパンにイチゴジャムを塗ろうとジャムのビンに手を伸ばした。
「あれ・・・・ジャムが無い・・・。」
いつもあるハズのイチゴジャムのビンは空っぽだった。
ふと、名雪は祐一のパンを見た。
いつもなら、マーガリンが塗ってあるはずだが、今回は赤い物がのってる。
イチゴジャムである。
「ああ〜、おいしいな〜。以外とイチゴジャムもいけるなぁー。」
わざとらしく、祐一は棒読みで独り言を喋る。
「私のイチゴジャム・・・・・・」
「おっ、名雪。残念だったな。」
そう名雪に言いかけたとき、名雪の後ろにカエルのぬいぐるみがあるのに気付く。
前に名雪が寝ぼけて持ってきたぬいぐるみである。
「私の・・・・イチゴジャム・・・・・」
「おい・・・名雪・・どうした?」
いつもの名雪と雰囲気が違うことを祐一は悟った。
その瞬間!
ビシッ!
「ぐぁ!!!」
祐一の腹に何者かの拳がめり込む。
ブンッ!
さらに追い打ちをかけるようにニーキックがきまる。
「がはっ!!!なんなんだ・・・・一体・・・・・」
朦朧(もうろう)とする意識の中、祐一が見た物は・・・・
「け・・・・けろぴーがなぜ・・・・・」
この後、祐一は更に非道いことになり学校を休んだ。
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